『STEINS;GATE ELITE』のレビューです。ネタばれ無しでタイトルの紹介と感想を書いていきます。STEINS;GATE 自体は約7年前にPSPでプレイしています。当時初めてインフルエンザにかかって2日ほどで復調したけど病原菌持ちのため家にいないといけない、そんな暇な期間にプレイして結果どっぷりハマって一気にクリアした、そんな記憶があるタイトルです。その後、派生タイトルの線形拘束のフェノグラムやゼロをプレイしています。本タイトルはアニメを編集して再構築されたとのことで演出面が大きく変更になっていることと、ストーリも殆ど覚えていないため、どれ程に進化したのか興味もありプレイしてみることにしました。
プレー状況:本編クリア済
プレイ時間:35時間ほど
ハマれる人
- 過去にSTEINS;GATEにハマったことがある人
- タイムトラベルものが好きな人
- STEINS;GATEは過去に気になっていたけど未プレイの人
- 科学アドベンチャーシリーズが好きな人
良かった点
- 一枚絵からアニメーションへ変化したことで視覚的に動きを楽しめる
- キャラ絵が比較的に一般向けになった
- シナリオや原作の雰囲気はそのままに再構築されているため過去ファンも安心して楽しめる
- テキストアドベンチャーが好きな人ならきっと楽しめるシナリオや演出
ストーリー
未来ガジェット研究所というサークル活動の中で、過去にメールを送れる装置を開発してしまった岡部倫太郎とその仲間たちが、秋葉原を舞台として悲劇が待つ未来を変えるべく時間を超えて違った結果の未来を目指す物語です。秋葉原が舞台ということで研究所のメンバ(通称 ラボメン)たちも中二病の主人公をはじめ、オタクキャラやメイドさんなど個性的な面々が集まっています。序盤は和気あいあいとした雰囲気で進行し各キャラの個性や関係が分かります。中盤からは打って変わってシリアスな展開が始まり、ストーリを追うごとにラボメンたちの内に秘めた思いが綴られていくことになり最後まで目が離せません。メールのやり取りでストーリが分岐するシステムなため、メールで返答する内容次第で進むべき未来が決定されます。
舞台が秋葉原のためか至る所にネットスラングや定番のフレーズが出てきます。
再構築された世界
STEINS;GATE ELITEはもともと一枚絵の背景+キャラで画面構成されていたオリジナル版をTVアニメ版のアニメーションを基にして再構築されたタイトルです。場面場面でキャラがアニメーションするので臨場感や没入感は間違いなく向上しています。もともとテキストアドベンチャーのゲームだけあって親和性がすごく高く、違和感をまったく感じない作りになっています。逆にこれがあるべき姿なのではないかと完成形にすら思えてきます。キャラが動くことで文章のみならず視覚的にもキャラやその場面の表現が可能になっていて、より印象的で心に残る場面が数々あります。STEINS;GATEはこのタイトルで2回目のプレイとなりますが、かなり新鮮な気持ちで最後までプレイすることが出来ました。
アニメーションを伴うテキストアドベンチャー系のゲームだと同じアニメーションの使い回しが頻発したりしますが、本タイトルでも一部キャラのアップの顔のアニメーションがたびたび使い回しされますが、それほど気になるものでもありませんでした。
ラボメンたちとの会話もアニメーションすることで見ていてより楽しい作りに。
総評
9年ぶりにリメイクされたタイトルですが、新たにアニメーションで再構築されたためか古臭さは全く感じません。むしろシュタインズゲートのオリジナルのストーリの面白さと相まって新作として通用するレベルです。元となるアニメ素材がないと難しいのでしょうが、今後の科学アドベンチャーシリーズは全てこのスタイルでリリースしてほしいまであります。それほど、アニメーションを組み合わせることでキャラは生き、臨場感は増し、シナリオに没頭が出来る作品となっています。
万人に進められるかというと、主人公の岡部林太郎の中二病全開の振る舞いだったり、オタク文化を前提とした笑いだったりある程度のハードルはあるかもしれません、ただそのハードルを上回る感動がこのタイトルにはあります。アニメ版のキャラ絵に変更になったこともあり食わず嫌いしている人たちにこそ、この機会に是非遊んでみてほしいですね。最初からこの内容でリリースされていたらもっと広い層に支持を得られるタイトルになれたのではと、思ってしまうほど完成されたタイトルになっています。